11月7日、当準備会と西日本新聞社の共催によるシンポジウム「いま『共働』が始まる」をハイアットリージェンシー福岡にて開催しました。
■藻谷氏の基調講演「急成長都市・福岡と九州新幹線全通」
福岡が日本最後の成長都市圏であることがデータをもとに説明されました。新幹線は、都市間競争の綱引きの綱であり、地域の活性化には寄与しない。過去に新幹線によってプラスになった都市は、東京をのぞけば、京都と福岡しかないと分析されています。
その福岡でさえ、生産年齢人口の減少と高齢人口の増加による活力低下は避けられません。2011年の九州新幹線の全通は、福岡の成長要因の最後のインパクトであり、もうその次は何もありません。2011年は、福岡の「成長の終わりの始まり」という考え方が印象的でした。
更に、この最後の成長期にこそ、マイナス成長時代に備えるための「寸止め」が重要であることを、他都市の事例からも解説されました。
■ギンギラ太陽’Sミニライブ「福博流通モノ語り」
おなじみの百貨店のカブリ物によって、福岡の流通戦争をコミカルに演出されました。そこには、新博多駅への期待と、各施設が手を取り合って、福岡の魅力を高める「共働」が大事であるとの願いがこめられていました。
■準備会活動報告・ワークショップ実施報告
当準備会では、来年春の本組織設立に向けて、様々な活動を行っています。その活動実績として、「まちづくりワークショップ」の実施報告を行いました。
また、来年度の活動として、「まちづくりガイドライン」の作成と、具体的な施策の実験的な検証としての「社会実験の実施」が、活動の二本柱になると考えています。
■パネルディスカッション
佐藤氏は、「博多」と聞くとワクワクする資産を既に備えていて、外から期待する時には博多駅地区も博多部も一括りで捉えられるわけで、この期待に応えるプログラムを開発することが重要であり、この作業は誰かがひとりでやることはできないので、この組織が受け皿となって場を提供してはどうかと述べられました。
一方、出口氏は、天神のストリート文化と博多部の歴史文化とは異なり、ターミナル駅街区としてのテーマ性(強く望むものとして国際性)を見出していくべきであり、ビジョンを共有して、その実現のプロセスのルールづくりにトライしてはどうかと述べられました。
福山氏は、地元のリーダーとして、具体的に直面している課題(違法駐輪、ホームレス、街頭犯罪、ワンルーム住民の無関心など)があり、行政と企業と地域住民が協力しないと解決できないと述べられました。
藻谷氏は、目の前の儲かることを堪えて、長い目で見てまちの価値が上がるような開発を地域が一体となってやることが大事で、福岡はそれができるギリギリの規模であると述べられました。
以上の他にも、二核都市として天神との関係や、環境への配慮、容積緩和ルール、九州全体への新幹線の影響など、会場からの質問や意見(申込書と聴講券に記載)を交えながら、さまざまなテーマが話題に上りました。
文責:アクション部会 溝口