伝統・建築ルート

「博多千年門(はかたせんねんのもん)」は、博多を訪れた観光客を歴史的文化財が多く残る博多の寺社町エリアへと導くウエルカムゲートです。博多の繁栄を願う地域住民、地元企業、行政が一体となって建設に取り組み、平成26年3月に完成しました。
歴史的文献によれば、博多から大宰府政庁へ延びる官道には、江戸時代に「辻堂口門(つじのどうぐちもん)」と呼ばれる博多の入り口となる門が存在していたようです。「筑前名所図会」にも門の図が描かれています。
門はかつての「辻堂口門」にならった木造の四脚門様式で、切妻本瓦葺(きりづまほんかわらぶき)、中世博多の寺社様式となっています。門扉の板材には、太宰府天満宮より寄贈された樹齢千年の「千年樟(せんねんぐす)」を用い、欄間には博多織の献上柄模様が刻まれています。
また、承天寺通りは、車道を小川に、歩道をその川岸の遊歩道に見立てた造りとなって、承天寺の仏殿と方丈を結ぶ石畳は石橋をイメージしています。

博多にお越しの際には、ぜひ新しい博多の観光スポット「博多千年門」をくぐって承天寺通りを通り、寺社町の散策をお楽しみください。

住所:福岡市博多区博多駅前1丁目7-29-9

臨済宗東福寺派で、山号は萬松山。開山は聖一国師(円爾弁円)によるもの。
仁治3年(1242)宋出身の貿易商・謝国明が創建し、寺蔵の釈迦三尊像(鎌倉時代)、禅家六祖像(鎌倉時代)、銅鐘(高麗時代)は国の重要文化財に指定されています。
昭和50年(1975)、韓国の新安沖海底引揚げの沈没船から承天寺の塔頭のひとつである釣寂庵の銘のある木簡が発見され、中世における承天寺の対外貿易への関与が証明されました。
さらに、博多織の祖として伝えられる満田弥三右衛門の記念碑や、延宝2年(1674)に博多の商家・谷宗理が桜井神社(現在の糸島市)から買い取って、承天寺に寄進・建立した鐘楼もあります。

◆◆◆饂飩蕎麦発祥之地の碑(うどんそばはっしょうのちのいしぶみ)◆◆◆
承天寺開山の祖・聖一国師は嘉禎元年(1235)に宋へ渡り、艱難辛苦の末に禅の大法を修め、仁治2年(1241)に帰国。この時、仏法の教義以外にも、さまざまな宋の文化を我が国へ伝えた。その代表的なものが、うどん・そば・羊羹・饅頭などの製法であります。

◆◆◆博多山笠発祥之地の碑(はかたやまかさはっしょうのちのいしぶみ)◆◆◆
博多祇園山笠は福岡市を代表する祭りで、現在は博多区の櫛田神社を中心に行われています。その起源には仁治2年(1241)博多に疫病が流行した時、国師が施餓鬼棚に乗り、それを棒で担がせて祈祷して廻り、病魔を退散させたことに由来するとの説がある。したがって、今日でも承天寺の門前に清道を設けて山笠が巡るのは、その言い伝えによるものとされています。

福岡県福岡市博多区博多駅前1丁目29-9
☎ 092-431-3570
□営 8:30~16:30
□休 なし

弘法大師が日本で最初に開山した密教寺院空海(弘法大師)が日本で最初に創建したお寺です。真言密教が東に長く伝わるようにと祈願されたそうです。弘法大師が創建したお寺としては日本で一番古い霊場です。また、黒田家二代忠之公、三代光之公、八代治高公の墓所があります。真言宗別格本山

■福岡大仏・地獄極楽めぐり
2階の大仏殿には木造座像では日本最大級の大きさを誇る福岡大仏があります。大仏の台座内には、地獄・極楽めぐりが設置されており、おどろおどろしい地獄絵巻のレリーフの先には、真っ暗な通路があります。手すりをたよりにを進み、途中にある「仏の輪」に触れれば極楽に行けるとか。

■六角堂
市の文化財に指定されています。内部にある六角形の仏龕(ぶつがん:仏像を安置する厨子)は回転式になっています。毎月28日の不動護摩供えと博多ライトアップウォークの際に開帳されます。

■五重塔
平成23年に完成しました。純木造総檜造りで美しい姿をみせています。5階の瓦のすぐ上にある相輪の伏鉢に空海が持ち帰ったと言われる仏舎利(釈迦の骨)が納められています。

■千手観音菩薩像
国の重要文化財に指定されています。

福岡県福岡市博多区御供所町12-2 1F
☎ 092-984-0721
□営 12:00~18:00
□休 日曜・月曜

戦前まで生産されていた「箱崎縞」を復刻し、企画販売するテキスタイルメーカーです。

福岡県福岡市博多区御供所町2-4
☎ 092-291-4459

博多を守った歴史遺構、第二元寇防塁跡

住所:福岡県福岡市博多区千代2丁目

博多区上川端町で築66年をこえる昭和のレトロビル ”リノベーションミュージアム冷泉荘”。

「福岡の古い建物を大切にする考え方の実践(ビルストック活用)」を基本理念に、 「ひと」「まち」「文化」を大切に思う人たちが集まっています。

2011年1月には耐震補強工事を行い、冷泉荘の理念・思いをますます強め、発信しています。

2012年、第25回福岡市都市景観賞 活動部門にて部門賞受賞。

福岡県福岡市博多区上川端町9番35号
☎ 092-985-4562

「博多町家」ふるさと館は、明治中期の博多織織元の町家(住居兼工房)を移築復元し、福岡市の指定文化財に登録されている「町家棟」のほか、「みやげ処」「展示棟」の3棟で構成されています。
明治・大正の時代を中心に博多の暮らしや文化を広く紹介しており、博多の歴史、祭り、伝統などを感じて楽しんでいただける施設です。「櫛田神社」すぐ近くにあり、博多の祭とともにさまざまなイベントで賑わい、多くの観光客が訪れる博多の観光スポットです。

博多伝統工芸(博多人形,博多張子,博多独楽,博多曲物)の絵付け体験が気軽にできるようになりました。博多の思い出作りにいかがですか。

◆展示棟
博多の歴史や文化に関する展示や山笠の映像、博多の伝統工芸士による実演を見学することができます。
※伝統工芸士による実演スケジュール(10時~12時、14時~16時/場所:展示棟2階)
博多人形(月曜)/博多張子(火曜)/博多独楽(水曜)
博多曲物(木曜)/博多人形(金・土・日)

◆町家棟
博多織の実演・体験(毎日11~13時、15~17時)や博多仁和加定期公演(毎月第1土曜 ・第3日曜/観覧無料)も行われています。

◆みやげ処
博多の工芸品や名産品をはじめ、銘菓やお菓子、お祭りグッズなど、博多らしいものが揃っています。

福岡県福岡市博多区冷泉町6-10
☎ 092-281-7761
□営 10:00〜18:00
□休 なし

博多祇園山笠が奉納される神社で、飾り山笠が6月を除き一年中展示されています。博多っ子からは「お櫛田さん」の愛称で親しまれている,博多の総鎮守です。御祭神は正殿に大幡主命(櫛田宮)・左殿に天照皇大神(大神宮)・右殿に須佐之男命(祇園宮)をお祀りしています。
博多の総氏神様としては最古の歴史を有し、天照皇大神(大神宮)、大幡主大神(櫛田宮)、須佐之男命(祇園宮)が祀られています。以前は3つの社にそれぞれ祀られていたそうです。大幡主大神は孝謙天皇天平宝字元年(757年)託宣によって鎮座され、素戔嗚大神は天慶4年(941年)藤原純友の乱の追討使小野好古が戦勝奉賽のために勧請されたといわれています。

福岡県福岡市博多区上川端町1-41
☎ 092-291-2951

キャナルシティ博多は、当時敷地面積34,715㎡、総延床面積約23㎡というスケールを生かし、運河(キャナル)を中心に構成された空間は、ランドスケープ、噴水、サイン、照明などの環境要素を重視し、来場者を主役とする「都市の劇場」の舞台としてデザインされています。

キャナルシティ博多には、その名の通り「運河(キャナル)」が流れています。これは、那珂川、博多川をもう一度街の魅力として取り戻すこと、リバーフロントの再整備により誰もが憩える親水空間を創出することを目標として構想したことによって生み出されたアイデアです。施設の隣を流れる那珂川と同じように南から北に水が流れる運河に沿って専門店をならべ、中心には広場を設置。南北に大型店と劇場を配置し、専門店街の対岸には静的なくつろぎの場としてホテルを配すとともに、専門店街の東側にはオフィスやビジネスホテルを配することで、南北、東西それぞれの回遊動線が計画されました。またエンターテインメント系の施設を運河に沿った専門店街上層部に集積することで垂直方向の動線も計画されました。運河(キャナル)の流れはゆるやかな円弧を成しており、建物やモールも曲線で構成されています。このことにより来街者の視線は、すべてを見通すのではなく、歩くことにより次々と変化する舞台のようなシーンを楽しむことができます。

福岡県福岡市博多区住吉1丁目2
☎092-282-2525
□営 10:00〜21:00

日米の建築家の協働により実現したらせん型の外装が印象的な010 BUILDINGは、建物に表と裏を作らないデザインが特徴。周辺の光を反射するメタルパネルは、見る時間や角度によって色やそのフォルムが異なり、昼夜連続的に変化する姿が福岡の水辺に新たな魅力を生み出しています。閉鎖的な大空間であるシアターを上階に持ち上げ、地上階に水辺とまちをつなぐ豊かな公共領域を創出したことも高く評価され、2023年度 福岡市都市景観賞では建築部門賞を受賞しました。

福岡県福岡市博多区住吉1丁目4-17
☎ 092-600-9207
□ 営 THEATER010 19:30〜24:00 / BAR010 19:00〜25:00,19:00〜27:00 / GohGan 12:00〜15:00(ランチ),17:00〜22:00(ディナー)
□ 休 THEATER010 日曜、月曜 / BAR010 月曜 / GohGan 月曜

こ最初の住吉神社

日本で最も古い住吉三神を祀る神社と言われています。昔は博多湾(冷泉津)に面しており航海・海上の守護神としても厚い崇敬があります。

<日本第一住吉宮>
記紀において、黄泉の国から帰還した伊弉諾の尊(いざなぎのみこと)が「筑紫(ちくし)の日向(ひむか)の橘(たちばな)の小戸(おど)の阿波伎原(あはきはら)」で禊(みそぎ)を行った際に生まれた住吉三神<底筒男神(そこつつのおのかみ)、中筒男神(なかつつのおのかみ)、表筒男神(うわつつのおのかみ)>を祀る神社で全国に2000以上ある住吉神社の中で最も古い神社と言われています。

<社殿>
現在の社殿は元和9年(1623年)に黒田長政公により再建されたものです。本殿は、寺社建築最古の様式である「住吉造」で切妻直線型の屋根が特徴的です。25年ごとに式年遷宮が行われており、平成22年に御遷宮の儀が行われました。国指定の重要文化財。

<能楽殿>
昭和13年(1938年)に建てられたもので、宮中能楽場をモデルにしたと言われています。舞台は総檜造りで床下には音響を考えて数個の甕(かめ)が置かれています。福岡市指定の有形文化財。

<博多古図>
鎌倉時代の博多の様子を描いたもので、明治時代に奉納されました。当時の住吉神社が海に面しており、今の天神あたりは海だったことが伺えます。

福岡県福岡市博多区住吉3丁目1-51
☎ 092-291-2670
□ 営 9:00〜17:00
□ 休 なし
□ WEB : https://www.nihondaiichisumiyoshigu.jp/

福岡市博多に位置する「博多駅」は、九州最大の交通拠点であり、その建築は機能性とデザイン性を兼ね備えた現代的なランドマークです。広々としたガラス張りのファサードが特徴で、自然光を取り込みながら開放感あふれる空間を演出。駅全体は、洗練された都市空間と融合し、ショッピングモールやホテル、オフィスが一体化した複合施設として機能しています。駅の中央に位置する大屋根は、天候に左右されることなく快適な移動をサポートし、観光客やビジネス利用者に快適な環境を提供。さらに、公共アートが随所に配置され、単なる交通施設を超え、博多の文化や魅力を発信する場としても機能しています。博多駅は、地域の活気を象徴する建築物として、多くの人々に愛されています。

福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1
☎ 0570-04-1717

「THE BASICS FUKUOKA」は、建築美が際立つホテルとして福岡市博多の中心に佇んでいます。モダンでありながらも、温かみのある素材と繊細なデザインが調和し、洗練された空間を生み出しています。エントランスからロビーに至るまで、広々とした開放感と自然光を取り入れた設計が、訪れるゲストを迎え入れます。建物の外観はシンプルながらも独自の存在感を放ち、内部には心地よい静けさと落ち着きが感じられる設計が施されています。福岡の都市風景に溶け込みつつも、訪れる者に特別な印象を与える建築美が、訪れるたびに新たな発見をもたらします。

福岡県福岡市博多区博多駅東2丁目14-1
☎ 092-412-1234
□ 休 なし
□ WEB : https://www.thebasics.jp/fukuoka/